どうしてハイフ(HIFU)でやけどをしてしまうの? 副作用やトラブルを防ぐ6つのポイント

公開日:2022/08/01 更新日:2024/01/17

どうしてハイフ(HIFU)でやけどをしてしまうの? 副作用やトラブルを防ぐ6つのポイント

ハイフ(HIFU)は、たるんでしまった肌のリフトアップや、肌質の改善に効果的な美容施術です。メスを使わないため手軽に受けられると人気ですが、まれにやけどや水ぶくれなどの副作用が起きてしまうリスクもあります。

本記事では、「なぜハイフでやけどをしてしまうのか」や、やけどを含めた副作用、トラブルを防ぐ6つのポイントなどを解説していきます。「ハイフに興味はあるけれど、副作用やトラブルが怖くて施術をためらっている」という方は、ぜひ参考にしてください。

ハイフでやけどをしてしまう原因

ハイフは専用の機器で超音波を照射し、皮膚を構成する各層に熱エネルギーによる刺激を与えることで、さまざまな効果が表れる施術です。例えば、肌の土台と言われている「SMAS筋膜」に照射すると、たるんでいたSMAS筋膜が引き締まり、リフトアップ効果を期待できます。また真皮層に照射すると、美肌成分であるコラーゲンやエラスチンの生成が促進され、うるおいやハリ、弾力のある若々しい肌を取り戻すことができます。

施術の際に肌の表面を傷つけることがなく、基本的にはダウンタイムがほとんどないというのがハイフの特長の一つなのですが、適切な施術を行わないとやけどをしてしまう可能性があります。ここからは、ハイフでやけどをしてしまう原因を、3つに分けてご紹介します。

1.出力が強すぎる

本来であれば、施術を受ける方の肌の状態や脂肪の厚みに合わせて、担当する医師がハイフの出力を調整しなければなりません。

しかし、知識や経験の不足などで出力の調整を誤ってしまうと、照射した熱エネルギーの一部が皮膚表面まで跳ね返り、やけどをしてしまう可能性があります。

2.照射角度や照射位置の間違い

超音波を照射する角度や位置を間違えてしまった場合も、やけどのリスクが高まります。

ハイフは常に骨に対して斜めになるように照射するのが基本なのですが、骨に近い箇所で垂直に照射してしまうと、超音波が反射してやけどをしてしまう場合があるのです。

3.照射深度の判断ミス

人間の皮膚は、表皮・真皮・皮下組織・SMAS筋膜・表情筋という層で成り立っています。ハイフでは、超音波を照射する層によって期待できる効果が変わるのですが、照射する深度を誤ってしまうと、やけどをしてしまうことがあります。

一般的に、SMAS筋膜に与えられた熱エネルギーは、皮下組織でその一部が吸収され、皮膚表面はダメージを受けないようになっています。しかし脂肪が少なく皮下組織が薄い方に対して、脂肪量が普通以上の方と同じ深度で照射してしまうと、皮下組織が熱エネルギーを吸収しきれず、皮膚の表面にまで熱が伝播して、やけどをしてしまう場合があるのです。

ハイフは照射深度を浅くすれば小じわ解消や肌質改善の効果を、照射深度を深くすればリフトアップ効果を期待できます。得たい効果ごとの照射深度の目安はありますが、皮膚や脂肪の厚みは人それぞれ異なるため、施術を受ける方の状況に応じて、適切な深度に調整する必要があるのです。

ハイフの施術中の痛みはやけどの前兆?

そもそもハイフは皮膚の内側に熱エネルギーを与える施術であるため、施術中は熱による痛みを感じやすいです。しかし我慢できるレベルの痛みであることが大半で、もし耐えられないほどの強烈な痛みがある場合は、やけどやその他の副作用が起きる可能性が高まります。

施術の途中であっても、強い痛みが生じたタイミングで必ず医師や看護師に伝え、出力などを調整してもらいましょう。

やけど以外のハイフのリスク・副作用

ハイフの施術ではやけどの他にも乾燥や赤み、腫れといったさまざまな副作用が起きる可能性があります。基本的にはメイクでカバーできる程度の軽度なもので、徐々に落ち着いてくることがほとんどです。しかし場合によっては、症状が長引いたり範囲が広がったりすることも。そういった状況に陥った際は放置せず、早めに医師の診察を受けるようにしてください。

炎症が起こりやすい体質の方や過度な日焼けなどで肌のバリア機能が下がっている方は、特にやけどを含めた副作用が起きやすいです。施術前のカウンセリングの際に、施術を受けて良いか必ず確認するようにしましょう。ハイフの施術によって起こり得る、やけど以外の副作用には以下のようなものがあります。

乾燥

ハイフの施術後は、皮膚の内側に加えられた熱エネルギーによって肌の水分量が一時的に減少します。水分を失った肌は乾燥しやすく、摩擦や紫外線などによる負荷がかかりやすい状態です。保湿などのケアを怠ると、色素沈着や炎症につながることもあるので注意しましょう。

赤み

ハイフの出力が強すぎると、やけどにはならないまでも、赤みが出てしまうことも。通常はほんのり赤くなる程度で施術の翌日には治まることが多いですが、数日症状が続いたり赤みが強かったりする場合は、軟膏を塗って処置するケースもあります。

腫れ

脂肪が少ない方はやけどになりやすいと前述しましたが、一方で、施術部位の脂肪が多い場合は、腫れやすい傾向にあります。ハイフによってSMAS筋膜などへ熱エネルギーが加わると、「熱変性」という熱によるダメージを修復しようとする働きが起きるのですが、脂肪が多いと熱変性の影響を大きく受け、腫れてしまうのです。

またハイフの出力が高すぎても、腫れが出る恐れがあります。しかし、腫れた場合でも数日で症状が引いていくことがほとんどで、長い場合でも1〜2週間ほどで治まります。数週間しても腫れが引かない場合は医師に相談しましょう。

むくみ

まれではありますが、ハイフの施術後にむくんでしまう場合もあります。基本的には数日で治まることが多いですが、症状が気になる場合は保冷剤や氷をタオルで包み、施術箇所を冷やすのがおすすめです。

痛み

筋肉痛のような鈍い痛みが生じるケースもあります。施術直後は、痛みだけでなく火照りを感じる場合もありますが、痛みも火照りも1〜3日ほどで治まるでしょう。もし痛みが強かったり長引いたりする場合は、医師に相談してください。

HIFU

ハイフによる副作用やトラブルを防ぐ6つのポイント

ここからは、ハイフの施術を受ける際に、やけどをはじめとする副作用やトラブルを避けるためのポイントを6つに分けてご紹介します。

1. 医療機関で施術を受ける

日本でハイフと言えば、医療ハイフとエステハイフがありますが、実はこの2つは似て非なるものです。医療ハイフは医療機関で受けるハイフ、エステハイフはエステサロンなどで受けるハイフという程度の認識の方も多いかもしれませんが、施術を受ける場所や施術者だけでなく、使用する機器や期待できる効果、効果の持続期間も異なります。

ハイフの正式名称は「High Intensity Focused Ultrasound」で、日本語では「高密度焦点照射式超音波治療」と言います。名前に治療と付いている通り、ハイフは本来医療行為であり、医療従事者が施術を行う必要があります。

そのためエステハイフでは、正式なハイフ機器を使用できません。厳密にはエステサロンでは、ハイフではない超音波機器を使用して施術を行っているのです。医療ハイフで使用するハイフ機器よりも出力が弱く、照射深度も浅いため、期待できる効果は限定的で、効果の持続期間も短いです。その分、やけどなどの副作用のリスクは少ないですが、医療資格を持たないエステティシャンなどが施術を行うため、誤った施術で重篤な副作用が出てしまったケースも報告されています。

全てのエステハイフが危険というわけではありませんが、より安全で効果の高い施術を受けるならば、皮膚の解剖学を熟知した医師のいるクリニックで施術を受けるべきです。

ちなみに長い目で見ると、医療ハイフの方がトータルの費用を抑えられる可能性も。詳細は後述しますが、ハイフの効果を持続させるには、適切な間隔で繰り返し施術を受ける必要があります。エステハイフの方が効果の持続期間が短いため、医療ハイフと比べると施術頻度が高くなります。そのため1回あたりの施術料金は安くても、何度も受けるうちにトータルの費用が膨らんでしまう可能性があるのです。

2. アフターフォローが充実しているクリニックを選ぶ

ハイフは、他の美容整形と比べると副作用が軽い傾向にはあるものの、リスクが全くないかというとそうではありません。これまでお伝えしてきたとおり、やけどや腫れ、痛みなどが生じる可能性もあります。もしも重篤な副作用が起きてしまった時のために、アフターフォローが充実している病院やクリニックで施術を受けるようにしましょう。

事前のカウンセリングの段階から、施術に関する注意点や仕上がりについての具体的なすり合わせ、ダウンタイムや副作用の説明などを徹底しているクリニックを選ぶのがおすすめです。丁寧なカウンセリングを受けることで「想定していなかった副作用が起きた」「副作用の症状が出たけれど、診察を受けるべきなのか、放っておいてもよいのか分からない」と、悩むケースが少なくなるはずです。

またカウンセリングの際には、万が一の場合の問い合わせ先や緊急での診察が可能かどうかも確認しておくと安心です。

3. ハイフの症例数が豊富な医師に施術してもらう

施術後の仕上がりはもちろんのこと、やけどなどの副作用の度合いは、担当する医師の技量によって変わってきます。極力、ハイフの施術を多く経験している医師の施術を受けるのがおすすめです。その医師が実際に対応したさまざまな症例を元に、施術を受ける方の肌の状態やなりたい姿を考慮して、適切な施術内容を提案してくれます。

クリニックのWebサイトやSNSなどでこれまでの症例を公開している場合もあるため、事前に実績を調べてから施術を受けるクリニックや医師を選ぶと良いでしょう。

4. 施術前後の注意事項を守る

ハイフの施術にはいくつかの注意事項があります。副作用やトラブルを防ぐためにも、必ず確認しておきましょう。

施術前の注意点

施術を受ける1週間ほど前から、ピーリングなどの刺激の強いスキンケア用品の使用や日焼けを避け、なるべく肌に負担をかけないようにしてください。

施術後の注意点

ハイフは施術直後から普段通りの生活ができ、軽い入浴やシャワー、飲酒も可能です。しかし血行が促進され過ぎると赤みや腫れを招く可能性があるため、以下に挙げるような行為は控えるようにしましょう。

・照射箇所のマッサージ
・長時間の入浴
・サウナ、岩盤浴
・過度な飲酒
・大量の汗をかくような激しい運動

5. アフターケアをしっかりと行う

繰り返しになりますが、ハイフの施術後は肌が乾燥しやすい状態になります。紫外線などのダメージを受けやすく、炎症や色素沈着につながる恐れがあるため、施術からしばらくは保湿を徹底するようにしてください。また外出する際は、日傘や帽子などを着用したり、低刺激の日焼け止めをこまめに塗ったりと、しっかりとUVケアを行いましょう。

なお洗顔をする際はゴシゴシとこすらず、泡で優しく洗うことも大切です。熱いお湯や冷たい水ではなくぬるま湯で洗うことで、肌への刺激をより軽減できます。

6. 適切な間隔で施術を受ける

常に若々しい引き締まった肌をキープするためには、定期的にハイフの施術を受ける必要があります。ただし、2回目以降の施術のタイミングには注意しましょう。

ハイフの効果は施術後すぐに表れるのではなく、施術から約1〜3カ月後に大きな効果を感じられることが多いです。効果が表れる前に「効果が出ない」といって焦って次の施術を受けてしまうと、肌に大きな負担がかかり、副作用が起きやすくなります。

2回目以降の施術を受けるタイミングは自己判断ではなく、必ず医師と相談して決めるようにしましょう。個人差はありますが、基本的には3〜6カ月に1回のペースで施術を受けるのが理想的です。

まとめ

ハイフは、比較的気軽に受けられる美容施術ですが、やけどをはじめとした副作用が起きる可能性もゼロではありません。施術を受ける前に、起こり得る副作用やリスクをしっかりと把握しておくようにしましょう。

表参道スキンクリニックでは皮膚の解剖学を熟知した医師が、施術を受ける方の肌の状態と悩みに応じた適切な施術内容をご提案します。日本形成外科学会認定の専門医も所属しており、万が一何かあった際のアフターケアも徹底して行いますのでご安心ください。

無料のメール・電話相談も実施していますので、ハイフの施術を検討している方はぜひ一度お問い合わせください。

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本ページの監修医師

佐藤 美博医師

経歴

所属学会

日本美容外科学会(JSAPS)

日本美容外科学会(JSAS)

日本形成外科学会

日本美容皮膚科学会

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