ハイフ(HIFU)は痛い?施術中に感じる痛み・痛みが強いほど高い効果を得られるのは本当かを解説
公開日:2022/08/01 更新日:2024/03/19
ハイフ(HIFU)はたるみやしわを改善し、ハリやツヤのある若々しい肌を取り戻せる美容施術です。メスや注射針は使用せず、専用の機器で肌に超音波を照射し、皮膚の内側の組織に熱エネルギーによる刺激を与えていくのですが、施術中に痛みはあるのでしょうか。
本記事では、ハイフの痛みに焦点を当てて解説していきます。施術中に感じる痛みの度合いやその要因、「痛みが強いほど高い効果を得られる」という噂の真偽についてもご紹介。
記事後半では痛みを抑える方法やその他の副作用についても解説するので、施術時の痛みやリスクが不安でハイフを受けるか悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
ハイフの施術は痛い?
冒頭の疑問に戻りますが、ハイフの施術は痛いものなのでしょうか。結論から申し上げると、ハイフの施術中には我慢できる程度の痛みを感じることが多いです。
もちろん中には「痛くない」という方もいらっしゃいますし、反対に強い痛みを感じる方もいらっしゃいます。痛みの感じ方には個人差があるため、WebサイトやSNSに施術中の痛みについてのレビューがあったとしても、あなた自身が同じように感じるかは分かりません。
元々刺激に敏感な方や顔の脂肪が薄い方は痛みを感じやすく、ハイフの機種や担当医師の技量によっても痛みの度合いは変わってきます。痛みに不安がある方は、事前のカウンセリング時にその旨を伝え、施術中にどの程度の痛みを感じる可能性があるのか確認しておきましょう。
痛みに配慮した施術を希望する場合は、どのような対策を行えるのかを医師と具体的にすり合わせておくのがおすすめです。施術中の痛みを抑えるポイントについては後述しますので、ぜひカウンセリング時の参考にしてください。
ハイフの施術中に感じるのはどんな痛み?
ハイフの施術中に感じる痛みは、以下の2つのパターンに大きく分けられます。
・皮膚の奥の痛み
・骨に響く痛み
1.皮膚の奥の痛み
前述の通り、ハイフは超音波を照射し、皮膚の内側にある組織に熱エネルギーによる刺激を与える施術です。肌の表面は傷つかないものの、皮膚の内側で「熱さによる痛み」、具体的には「皮膚の奥を針でチクチクと刺したような痛み」を感じることがあります。
基本的には我慢できる程度の痛みですが、どうしても耐えられない場合はその時点で医師に伝えましょう。強い痛みを感じた時は、やけどや水ぶくれなどの副作用が起きる可能性もあります。
2.骨に響く痛み
施術する部位の皮膚が薄かったり、照射する箇所が骨に近い部分だったりすると「骨に響くような痛み」を感じる場合も。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織という層で成り立っており、皮下組織の下には「SMAS筋膜」という筋膜があります。ハイフでは施術の目的に応じて、特定の層に対して超音波を照射します。例えば、SMAS筋膜への照射はリフトアップ効果、真皮への照射は肌質の改善といったように、照射する層によって期待できる効果が異なるのです。。
SMAS筋膜など皮膚の奥にある層へ照射する場合、超音波の一部が近くの骨まで届いてしまうケースがあります。骨の表面は知覚神経が通った「骨膜」に覆われており、超音波が骨膜に当たると、ズキズキとした鈍い痛みを感じるのです。
痛みの強弱に影響する要素
ハイフの施術中に感じる痛みの強弱には、以下に挙げる3つの要素が影響しています。
・照射する層(照射深度)
・出力
・照射する部位
1.照射する層(照射深度)
照射する層(照射深度)というのは、ハイフの超音波を皮膚の内側にあるどの組織に照射するのかということです。
機種によって異なりますが、ハイフには一般的に1.5mm、3.0mm、4.5mmといった深度のカートリッジが用意されていることが多く、超音波を照射したい組織によって使い分けます。
照射する層によって感じる痛みの種類が異なり、4.5mmのカートリッジを使用してSMAS筋膜に照射する際は、骨に響くような痛みを感じやすく、1.5mmのカートリッジを使用して真皮層に照射する際は、そのような痛みは感じにくいでしょう。
2.出力
痛みの強弱は、ハイフの出力によっても左右されます。出力が強いほど照射のパワーが上がり、痛みも生じやすいです。
高い効果を得たいがために出力を強めすぎると、施術中の痛みだけでなく、施術後に腫れややけどなどの副作用が発生するリスクも高まります。さらには肌の炎症や色素沈着にもつながる恐れがあるため、自身の肌の状態に応じた適切な出力で施術を受けてください。
ハイフの機種によっても出力の強弱や調整できる段階が異なるため、不安な方は出力が弱め、もしくは調整しやすい機種を選ぶようにしましょう。
3.照射する部位
同じ照射深度・出力でも、痛みが出やすい部位と出にくい部位があります。一般的に皮膚や脂肪が薄い部位への施術は、痛みが強く出やすいと認識しておきましょう。部位ごとの痛みの目安は以下の通りです。
目元
目元や眉下は皮膚が薄くデリケートな部分であり、照射する熱によってヒリヒリ、チクチクとした痛みが生じやすく、その一方で骨に響く痛みは感じにくいです。出力や照射深度さえ誤らなければ、麻酔が無くても我慢できる程度の痛みであることが多いでしょう。
頬
頬への照射では、皮膚の奥の痛みと骨に響く痛みの両方が生じる場合があります。特に頬骨の付近は、痛みを感じやすいでしょう。また痩せている方は皮膚の脂肪が薄く、超音波が骨膜に届きやすいため、特に強い痛みを感じる可能性があります。
顎
顎は脂肪が付きやすい部位であるため、骨に響くような痛みは感じにくいです。熱っぽさやチクチクとした痛みが生じる場合はありますが、我慢できるレベルであることが多いでしょう。
体
ハイフは顔だけでなく、体に照射することも可能で、照射した箇所の部分痩せを実現できます。体への照射は、顔の施術より痛みを感じにくく、大半の場合はじんわりとした熱っぽさを感じる程度であることが多いです。体への施術の場合も、痩せている方は痛みや熱を感じやすい傾向にあります。
痛みが強いほど高い効果を実感できるって本当?
ハイフの施術において、施術時の痛みが強ければ強いほど高い効果を得られるという噂がありますが、これは間違いです。
確かに出力が高ければ高いほど照射するパワーも強くなり、効果が高まる傾向にはあるのですが、それと同時にさまざまな副作用が起きるリスクも高まり、結果的に望んでいない状態になってしまう可能性があります。
また繰り返しになりますが、照射する部位や深度、脂肪の付き方によっても痛みの感じ方は変わってきます。他の部位と比較してあまり痛みを感じなかったとしても、適切な施術を受けていれば効果を期待できるため、痛みが強いから効果が高い、痛みが弱いから効果が低いとは一概には言えません。
さらに、痛みが強すぎると施術を続けられない可能性もあります。ハイフは一度の施術で半永久的な効果を得られるものではありません。施術後のたるみやしわのない肌を維持するためには、定期的に施術を受ける必要があります。痛みが強すぎると施術を受けることに対する心理的なハードルが上がり、続けたいという気持ちが薄れてしまうため、適切かつ無理のない範囲の施術を行っていくことが大切です。
ハイフの施術時の痛みを抑える4つのポイント
ここからは、ハイフの痛みを軽減するための4つのポイントをご紹介します。施術を受ける前に必ずこれらのポイントを確認し、不明点がある場合は担当の医師としっかりとすり合わせをするようにしましょう。
1. 痛みに配慮した機種を選ぶ
施術時の痛みが心配な場合、痛みに配慮したハイフの機種を選ぶことが大切です。ハイフにはさまざまな機種があり、それぞれ特徴が異なります。施術を受けようと検討しているクリニックに、痛みに配慮した機種があるかを事前に確認するようにしてください。
また照射時間の目安も確認しておくと良いでしょう。照射時間が短いほど、痛みに耐える時間も短くなるため、痛みに不安を感じる方は照射時間の目安が短い機種を選ぶのがおすすめです。
主要なハイフの機器5種類の一般的な痛みの強弱と、照射時間の目安をまとめましたので、ぜひ機種選びの参考にしてみてください。
機種 | 痛み | 照射時間の目安 (全顔) |
特徴 |
---|---|---|---|
ウルセラ | 強い | 約60分 | 熱エネルギーが強い分、痛みも強く感じやすい |
ウルトラセル2 | 少ない | 約30~90分 | 従来よりも照射時間が短縮されたことで痛みを軽減 |
ウルトラセルQプラス | 少ない | 約15分 | 熱エネルギーの密度が低く痛みがマイルド |
ダブロゴールド | 少ない | 約10~30分 | 超音波を均一に照射し、一点に熱を集中させない |
ソノクイーン | 少ない | 約30~60分 | 熱温度を一定に保つことができ、痛みを抑えられる |
2. ハイフの症例数が豊富な医師に施術してもらう
ハイフは、施術を担当する医師の技量によっても痛みの度合いや効果の出方が変わってきます。
ハイフの施術の経験が豊富な医師ほど、痛みを感じやすい部位や照射深度について詳しく把握しており、皮膚の厚みや脂肪の付き方など、施術を受ける方一人一人の状態に応じた適切な施術を行ってくれる可能性が高いです。
カウンセリングの前にクリニックの公式サイトやSNSを確認し、医師の経歴や実績、ハイフの症例を見ておくのがおすすめです。その際には症例数だけではなく、公開されている症例写真や施術内容も併せてチェックしましょう。症例ごとのダウンタイムや副作用について細かく紹介している場合もあるため、痛みやリスクのイメージもつきやすくなります。
3. 出力を下げてもらう
どうしても痛みに不安がある場合は、施術時に出力を弱めてもらうというのも一つの手です。ただし、痛みを恐れるあまり極端に出力を弱めてしまうと、十分にハイフの効果を実感できなくなる可能性もあります。
強い痛みを感じた場合に、施術の途中から出力を弱めてもらうこともできるので、最初から低い出力での施術を依頼するのではなく、まずは事前のカウンセリングで痛みに不安がある旨を伝え、ハイフの施術経験が豊富な医師に適切な出力を判断してもらうのがおすすめです。施術中に我慢できないほどの痛みを感じた場合はすぐに医師に伝え、都度出力を調整してもらいましょう。
4. 麻酔を使用してもらう
ハイフの施術では、痛みを軽減するために麻酔を使用することも可能です。熱によるチクチクとした痛みは、ハイフの施術でよく使用される局所麻酔の「麻酔クリーム」によって緩和でき、施術部位に直接塗って使用します。
また笑気麻酔が使用できるクリニックもあります。笑気麻酔は専用の器具を使って鼻から笑気ガスを吸うというものです。お酒に酔ったようなフワッとした感覚になり、施術中の痛みが緩和されます。笑気麻酔には緊張を和らげる効果もあるため、不安な気持ちを解消できるでしょう。
麻酔クリームなどの他の麻酔と併用できる場合もあるため、痛みを恐れて施術を受けることを思いとどまっている方は、笑気麻酔が使用可能なクリニックへ相談するのもおすすめです。クリニックによって使用できる麻酔が異なるため、カウンセリングの際に確認してみてください。
施術後の痛みはいつまで続く?
施術中だけでなく、施術後も一時的に痛みが続く場合があります。ここではハイフの施術後の痛みの経過をご紹介します。施術後の痛みについても感じ方には個人差があるため、あくまでも参考程度にしてください。
施術当日 | ・施術した箇所に熱っぽさや軽い痛みを感じる場合がある ・日常生活を過ごす上では問題ない程度の痛みであることがほとんど |
施術翌日 | ・施術当日に感じた熱っぽさや痛みは治まることが多い ・人によっては、若干痛みが残っている場合がある |
施術後2日目~数日間 | ・筋肉痛のような痛みやだるさのような重い感覚が生じる場合がある ・数日かけて徐々に治まってくる |
基本的に施術後の痛みは耐えられるレベルのもので、数日かけて徐々に治まっていきます。もしも、強い痛みを感じたり、長期間痛みが引かなかったりした場合は、重篤な副作用につながる可能性があるため、早めに医師の診察を受けましょう。
市販の痛み止めの服用はNG
ハイフの施術中や施術後の痛みを抑えたいからといって、自己判断で市販の痛み止めを服用するのは絶対にやめましょう。痛みが不安な場合は必ず医師に相談し、麻酔を使用してもらったり、適切な鎮痛剤を処方してもらったりしてください。
痛み以外に起こり得る副作用
ハイフは他の美容整形と比べると、重篤な副作用が起こりにくい施術です。しかし、軽度な副作用が起きる可能性は大いにあります。ここからは、痛み以外に起こり得る症状について解説していきます。
乾燥
ハイフは皮膚の内側の組織に熱を与える施術のため、施術後は一時的に皮膚の水分量が減少します。皮膚が乾燥しやすく、刺激を受けやすい状態になるため、施術から1週間程度は、いつも以上にしっかりと保湿をしましょう。紫外線によるダメージも受けやすいため、外出時には日焼け止めや日傘、帽子の使用といったUV対策を必ず行い、併せてビタミンCのサプリメントの摂取などを行うのもおすすめです。
赤み
ハイフの出力が強すぎると、施術後に赤みが出てしまう可能性がありますが、通常はほんのり赤くなる程度で、メイクでカバーすることができます。また数日程度で治まるため、特に大きな心配をする必要はありません。赤みがひどい場合はクリニックに相談して、回復を早めるための軟膏などを処方してもらいましょう。
軽めの運動や入浴は施術当日から可能ですが、赤みが長引く恐れがあるため、血行が良くなるような行動はなるべく控えるのがおすすめです。激しい運動やサウナ、マッサージなどは、ハイフの施術から数週間は控えるようにしましょう。
腫れ
施術部位の脂肪が多い方は、施術後に腫れが出やすい傾向にあります。ハイフによって熱エネルギーが与えられた皮膚の内側の組織では、熱によるダメージを修復しようと「熱変性」が起きます。熱変性は皮膚を引き締めるために必要な働きですが、脂肪が多いとその影響が強く現れ、腫れてしまうのです。
通常は数日で徐々に治まっていくので、人と会う際に気になる場合は、マスクなどで隠すのが良いでしょう。
むくみ
まれに、施術後にむくみがでてしまう場合がありますが、他の症状と同じように数日〜1週間程度で徐々に治まっていきます。むくみがひどい場合は、保冷剤や氷を清潔なタオルで包み、患部に当てて冷やしましょう。
やけど・水ぶくれ
非常にまれではありますが、ハイフの照射角度や深度を誤ったり、出力が強すぎたりすると、やけどや水ぶくれになってしまうことがあります。最悪の場合、そのやけどや水ぶくれが、感染症や色素沈着を招いてしまうことも。施術中に強い痛みを感じた場合、照射箇所がやけどになる可能性が高いため、すぐに医師に伝えるようにしましょう。
まとめ
ハイフは、その度合いに個人差はあるものの、痛みを感じやすい施術です。しかし使用するハイフの機種や医師の技量、施術前後の準備やケアによって緩和することもできるため、痛みが心配な方は、本記事で紹介したポイントを踏まえて施術を受けるのがおすすめです。
表参道スキンクリニックでは、痛みに配慮したハイフの機種「ウルトラセルQプラス」と「ウルトラセル2」を取り扱っており、施術を受ける方お一人お一人の肌の状況などを考慮した、適切な施術内容をご提案いたします。
メールや電話での無料相談も受け付けているので、ハイフの施術を検討している方はお気軽にお問い合わせください。
本ページの監修医師
佐藤 美博医師
経歴
- 所属学会
-
日本美容外科学会(JSAPS)
日本美容外科学会(JSAS)
日本形成外科学会
日本美容皮膚科学会