ハイフ(HIFU)のショット数は多い方が良い?目安を部位ごとに解説
公開日:2022/08/01 更新日:2024/03/20
ハイフ(HIFU)は超音波を照射することによって、皮膚のたるみやしわの改善を行う美容施術です。メスで切らないためダウンタイムが短く、気軽に受けられると人気を集めています。
ハイフの施術で得られる効果はいくつかあり、どんな効果をどれだけ得られるのかは、照射の出力と深さ、ショット数によって決まります。
本記事では、ハイフの効果を決める3つの要素や部位ごとのショット数の目安、施術を受ける際のポイントなどについて詳しく解説していきます。
Contents
ハイフ(HIFU)とは?
ハイフ(HIFU)は「High Intensity Focused Ultrasound」の略で、日本語では「高密度焦点式超音波治療法」と言います。超音波を照射して皮膚の内側にある組織に直接、熱エネルギーを与えることによって、表面のたるみやしわを改善したり、肌のハリ・ツヤを取り戻したりできる施術です。
人間の皮膚は、以下の3つの層によって成り立っています。
・表皮
・真皮
・皮下組織
顔においては皮下組織の下に表情筋があり、表情筋は「SMAS筋膜」というもので覆われています。SMAS筋膜は皮膚を支える役割を担っているのですが、年齢を重ねていくことで緩み、その上にある皮膚をたるませてしまいます。
顔のたるみや深いしわを改善したい場合、以前であれば外科手術を伴うリフトアップを行うのが一般的でしたが、ハイフの登場によって、皮膚の表面を傷つけずにSMAS筋膜へ直接アプローチできるようになりました。
ハイフの効果は、施術からおよそ1〜3カ月後に表れるのが一般的です。
半年〜1年ほど持続しますが、一定の期間が経過すると徐々に効果が薄れていきます。若々しいハリやツヤのある肌を維持したい場合は、定期的に施術を受けなければなりません。
ハイフの施術が向いている人
ハイフは、顔のたるみやしわが目立ってくる20代後半以降の方に向いています。
ほうれい線や目元のたるみ、目尻のしわ、二重あごなどが以前よりも気になってきた方に、特におすすめの施術です。
メスを使わない施術であることから、痛みに弱く、外科手術に抵抗がある方にも適しています。とはいえ全く痛くないというわけではなく、超音波を照射する際にパチンパチンという痛みが生じることが多いですが、心配な場合はハイフの出力を下げたり、麻酔を使用したりして痛みを和らげることも可能です。
一方で以下に当てはまる方は、ハイフの施術を行っても効果を実感しにくいでしょう。
・年齢が若く、顔のたるみやしわが少ない
・たるみ過ぎてしまっている
10代や20代前半の方はそもそもたるみやしわがほとんどないため、ハイフの施術を受けてもあまり効果を実感できません。
またたるみが強すぎる場合は、ハイフだけで改善するのが難しいため、糸リフトやフェイスリフトなど、他のリフトアップの施術を併せて行うのがおすすめです。
ハイフの効果が決まる3つの要素
ハイフの効果は、以下の3つの要素によって決まります。
・出力
・照射深度
・ショット数
出力とショット数によって効果の度合いが、照射深度によって期待できる効果が変化します。
1. 出力
ハイフの機械には、大きく分けて「医療用」と、医療機器認証を受けていない「エステ用」の2種類があります。
文字通り、医療用ハイフは美容クリニックで使用されるもの、エステ用ハイフはエステサロンで使用されるものです。
2つの最も大きな違いは出力の強さで、医療用ハイフの方が強力です。施術内容が適切であれば、出力が強いほど高い効果が期待できるため、医療用ハイフで施術を受ける方がより効果を実感しやすいでしょう。
またそもそも正式なハイフの施術は、医療行為に当たるものです。そのためエステ用ハイフは厳密には仕組みが違い、法律上は「ハイフ」と呼ぶことはできません。安全で、かつ、効果的な施術を行うには医療の知識や技能が必須であるため、ハイフは医師がカウンセリングや施術を行う美容クリニックで受けるようにしましょう。
2. 照射深度
前述の通り、ハイフは照射深度によって、期待できる効果が変わります。
照射可能な深度はハイフの機種によって異なるため、施術を受けるクリニックを選ぶ際には、希望する効果を得られる機種を取り扱っているかどうかを確認する必要があります。
表参道スキンクリニックで取り扱っている、「ウルトラセルQプラス」の照射深度と、期待できる効果は以下の通りです。
照射深度 | 到達部位 | 期待できる効果 |
---|---|---|
4.5mm | 皮膚を支えるSMAS筋膜 | 皮膚表面を引き締めて、顔全体のたるみを改善。脂肪細胞による下垂を改善する効果が期待できる |
3.0mm | 皮膚の真皮深部~ 皮下組織の深部 |
ほうれい線やフェイスラインの改善が期待できる。真皮層にはコラーゲンなどの美容成分が張り巡らされているため、この層を熱エネルギーで刺激することによって、ハリと弾力のある肌にする効果も期待できる |
2.0mm 1.5mm |
真皮上層部〜下層部 | 皮膚の比較的浅い層に熱エネルギーを与えることで、皮膚表面の引き締め効果や目元・口元のしわの改善が期待できる |
3. ショット数
ショット数は、超音波を照射する回数のことです。ハイフはショット数が多いほど高い効果が期待できます。
使用するハイフの機種や施術部位、施術範囲などによっても異なりますが、顔全体に照射する場合、1回の施術で300〜600ショットほど打つのが一般的です。
部位ごとのショット数の目安は、後ほどご紹介します。
ハイフのショット数は多い方が良い?
先ほど、ハイフはショット数が多いほど高い効果が期待できるとお伝えしましたが、実際の施術においては、過剰に照射するのはおすすめできません。
ショット数を増やすと高い効果が期待できる一方、皮膚へのダメージや副作用のリスクも高まるからです。
よってハイフの施術では、照射するパーツや施術を受ける方の皮膚の状態を考慮して、適切なショット数を選択すべきです。実際に何ショット照射するかは、医師とのカウンセリングの中で決めていきましょう。
【部位別】ハイフのショット数の目安
ここからは表参道スキンクリニックで取り扱っている「ウルトラセルQプラス」で施術を行う場合の、照射部位ごとのショット数の目安をご紹介していきます。
目元などにピンポイントで照射する場合
目の下のたるみやしわ、眉の周り、こめかみといった部位へピンポイントで照射する場合、1回の施術で約100〜200ショットほど打つことが多いです。
フェイスライン
二重あごやフェイスラインのもたつき部分にのみ照射する場合は、1回あたり100〜200ショットが目安です。
フェイスラインからあご下にかけてなど、もう少し照射範囲が広い場合は、300〜400ショットほど必要になります。
顔全体
顔全体のたるみ改善やリフトアップを行う場合は、1回の施術で約300〜600ショットほど打つことが多いです。
顔全体から首まで
顔全体+あご下のたるみにも照射したい場合は、1回あたり500〜600ショットが目安です。
ボディ
顔周辺だけでなく、二の腕やヒップライン、お腹周りなど、ボディの気になる箇所へハイフの施術を行うことも可能です。熱エネルギーによって脂肪細胞を破壊し、部分痩せを実現することができます。
施術をする部位や範囲によって必要なショット数が異なりますが、一つの部位に対して200〜600ショットが目安です。
ハイフの施術の流れ
ここからはハイフの施術の流れをご紹介していきます。施術の1週間前〜施術後にかけて、それぞれのタイミングで気を付けるべきポイントがあるので、ハイフの施術を検討している方は、施術候補日の前後のスケジュールと照らし合わせながら確認してみてください。
1週間前
施術の1週間前から、肌に負担がかかる行為は避けて過ごしましょう。皮膚表面の角質を剥がす「ピーリング」などのセルフケアも、この時期は控えておいた方が良いです。
また顔全体にニキビや炎症が起きていると、悪化の恐れがあり施術できない場合もあります。なるべく規則正しい生活を送り、ニキビを発生させないように心がけましょう。なおニキビ跡であれば、炎症後に跡が残った状態なので、ハイフの施術の可否に影響はありません。
施術当日
ハイフの施術は、一日でカウンセリングから術後のアフターケアまで行い、その日のうちに帰宅できます。当日の流れはクリニックによって細かい違いがあるため、気になる点がある方は、事前に医師に確認しておきましょう。
基本的には、以下の流れで施術を行うことが多いです。
カウンセリング
まずは医師や美容カウンセラーとのカウンセリングを行い、肌の状態を確認して超音波を到達させる部位やショット数を決めます。痛みに弱い方の場合は、施術中の麻酔や術後の鎮痛剤の使用についても確認します。
洗顔
カウンセリング終了後、パウダールームにてメイク落としと洗顔を行います。化粧をしていない場合は洗顔のみでも問題ないです。
施術
施術室に移動したら、いよいよハイフの出番です。施術箇所にジェルを塗り、カウンセリングで決めた内容に沿って、ハイフの超音波を照射していきます。
施術時間は施術する部位や範囲によっても変わりますが、30〜45分ほどかかることが多いです。施術後、ジェルを拭き取って終了です。
施術直後~帰宅まで
パウダールームで帰宅準備を行います。
施術直後からメイクすることも可能です。
施術後~1週間程度
施術直後の皮膚は敏感になっています。そのため施術当日から1週間程度は、丁寧なケアが必要です。この時期に注意すべき点をご紹介します。
当日中
施術当日のお酒については、禁止としていないクリニックが多いですが、過度な飲酒は控えましょう。
入浴も可能ですが、赤みや腫れなどの副作用を引き起こす可能性があるため、軽めのシャワーやぬるま湯での入浴にとどめることをおすすめします。
施術から数日間
ハイフの施術を受けると、照射した熱エネルギーの影響で一時的に皮膚の水分量が減少します。肌は乾燥しやすく紫外線などのダメージを受けやすい状態のため、施術から数日間は保湿ケアを徹底してください。
施術から1週間
施術から1週間程度は施術前と同様に、肌へ負担がかかる行為を可能な限り避けましょう。引き続き保湿を徹底し、刺激のある化粧品やスキンケア用品の使用も控えてください。
施術した箇所のマッサージや激しいスポーツ、サウナなども控えましょう。
UV対策として、外出する際には帽子や日傘で直射日光を避けたり、ビタミンCを多く摂取したりするのもおすすめです。
施術から3~6カ月後
前述の通り、ハイフの効果は一定期間が過ぎると徐々に薄れていくため、引き締まったハリやツヤのある肌を維持し続けるには、定期的に施術を受けなければなりません。
効果の持続期間は人それぞれですが、一般的には半年程度でハイフの効果が薄れてくるため、施術から3〜6カ月後に再度ハイフの施術を受けるのがおすすめです。
1カ月もしないうちに、再度施術を受けてしまうと、今度は肌に悪い影響が生じます。理由については後述しますが、ハイフの施術を繰り返し受ける場合は、医師のアドバイスに従って適切な間隔を開けるようにしてください。
ハイフを受ける際のポイント
最後に、ハイフを受ける際のポイントをご紹介します。
施術を検討されている方は以下を念頭に置いて、クリニックを選ぶようにしましょう。
1. 無理なく通院できる料金設定か確認する
先述の通り、1回のハイフで得られる効果の持続期間は3〜6カ月程度のため、施術後の肌の状態を維持していきたい場合は年に数回程度、ハイフの施術を受け続ける必要があります。
そのためクリニックを選ぶ際は、継続して通院できる料金設定かどうかを確認してから決めましょう。
2. 信頼できるクリニックか確認する
ハイフはメスを使わない美容施術とはいっても、あくまでも医療行為です。あってはならないことですが、適切な出力の強さやショット数を越えた施術を行ってしまった場合、やけどや水ぶくれ、腫れといった副作用が起きるリスクがあります。
技術や実績のある医師が在籍するクリニックを選ぶのはもちろん、万が一痛みや副作用が出た際も、丁寧に対処してくれるところで施術を受けるようにしましょう。
3. 適切な頻度でハイフの施術を受ける
前述の通り、ハイフの効果は施術してすぐに実感できるものではありません。施術直後に「効果が表れない」と不安になり、頻繁に施術を繰り返してしまうと肌へ大きな負担をかけてしまいます。
ハイフは超音波によって熱エネルギーを与えるため、皮膚の内側が軽いやけどをしたような状態になります。必要以上に高い頻度で施術を繰り返すことは、やけどを繰り返すような行為であり、肌の表面にまで症状が表れる重度のやけどや水ぶくれといった副作用のリスクが高まります。
一般的には施術から約1〜3カ月後に効果が表れるので、それまでは根気よく待ちましょう。
さらに数カ月〜半年ほど経過し、たるみやしわが少し気になり始めたら、次の施術を受けるタイミングです。この間隔で施術を受けて、ハリのある引き締まった肌をキープしていきましょう。
▼なぜハイフ(HIFU)は間隔を空けるべきなの? 理想の施術間隔や効果の持続期間について解説
4. 施術を受けられないケースがあることを理解しておく
下記に当てはまる方は、ハイフの施術を受けられない可能性が高いです。
・妊娠、もしくは妊娠の可能性のある方
・授乳中の方
・重症心疾患の方
・糖尿合併症を発症している方
・ペースメーカーなどの機器を埋め込んでいる方
・施術する箇所に重大な皮膚疾患がある方
・感染症を患っている方
・金属アレルギーをお持ちの方
「該当するけれど、どうしてもお悩みを解消したい」という方は、ご自身の状況を医師に共有して、施術できる範囲や他の美容医療という選択肢がないか、相談してみてください。
まとめ
ハイフはたるみやしわの原因を根本から改善して、リフトアップや肌のハリ・ツヤアップを実現できる施術です。
一方で、施術を受け過ぎたりアフターケアを怠ったりすると、副作用が起きる可能性もゼロではありません。正しい知識を持って事前にクリニックを調べ、信頼できる医師の元で施術を受けましょう。
ハイフを受けてみたい、検討しているという方は、ぜひ一度表参道スキンクリニックにご相談ください。当クリニックには経験豊富な美容皮膚科医が在籍しており、お一人お一人の希望や肌の状況に合った施術をオーダーメイドでご提案します。無料のメール相談・電話相談も行っているため、まずはお気軽にお問い合わせください。
本ページの監修医師
佐藤 美博医師
経歴
- 所属学会
-
日本美容外科学会(JSAPS)
日本美容外科学会(JSAS)
日本形成外科学会
日本美容皮膚科学会