下顎骨切り術
(SSRO:下顎枝矢状分割術)

下顎骨切り術
(SSRO:下顎枝矢状分割術)とは?

SSROは、下顎骨を矢状に分割して下顎を後方や前方に移動させる手術です。この手術は、移動の自由度が高いため適応範囲が広いこと、骨片間を骨接合するため顎間固定を回避できることが利点です。分割した骨片間の接触面積が広いため骨の治癒も速やかです。欠点として術中に下歯槽神経を傷つけることで、下唇の知覚異常を生じるおそれがありますが、3DCTや精密な骨模型などを用いた確認をすることで危険は避けられます。

下顎骨切り術(SSRO:下顎枝矢状分割術) 下顎骨切り術(SSRO:下顎枝矢状分割術)

手術の流れ

  • step1

    治療計画を立てる

    仕上がりの希望と可能な骨の移動量を照らし合わせた上で計画を決定し、それに合わせてデザインをします。

  • step2

    切開と剥離

    大臼歯外側の頬粘膜を切開し、骨膜剥離子で粘膜筋骨弁膜を剥離します。

  • step3

    下顎枝内側の骨切り

    下顎枝外側と内側の骨を露出させ、下顎枝内側の骨皮質だけを水平に骨切りします。

  • step4

    下顎枝前縁の骨切り

    下歯槽神経を避けるように下顎枝前縁を矢状方向に骨切りします。

  • step5

    下顎の移動

    下顎を術前に計画した位置へ移動させ突起した骨を整えます。

  • step6

    プレートで固定

    動かないようにプレートでしっかり固定します。

リスク・副作用

  • 腫れ・痛み

    顔面の骨を大きく削る手術のため手術後の腫れや痛みが強く出ます。強い腫れは1~2ヶ月程度続き、完全に腫れが引くのは6ヶ月程かかります。また、輪郭の骨を削った後は非常に強い痛みを伴い、手術後3ヶ月程度は食事や会話の際も強い痛みが生じます。

  • 痺れ・知覚麻痺

    輪郭形成手術の際にアゴや下口唇の知覚神経の近くを触る必要があり、それによって痺れや知覚麻痺を引き起こします。手術後はほとんどの方に痺れや麻痺が生じ、ほとんど1年以内に治まりますが、程度の差はあれ永久に痺れや麻痺が残る場合もあります。

  • 気道閉塞による窒息

    手術後に気道周囲の腫れが強く出るため、気道が閉塞して呼吸ができなくなってしまうことがあります。その場合は手術当日に起こることがほとんどなので、その後ただちに医師の常駐する施設に入院する必要があります。

  • 感染

    あらゆる手術において感染のリスクはあり、厳重に管理を行ったとしても手術中に感染を起こす可能性は0ではありません。術後に腫れや痛み、熱感が増したりしばらく長引く場合は感染が疑われ、その場合は治療が必要です。

  • 血腫

    手術後に傷の中で出血して血が溜まると口元、フェイスライン、アゴ、アゴのラインが紫色に膨れ上がります。そのまま放置すると化膿したりしこりができたりするので、早目の処置が必要です。口腔内を切開し、溜まった血を排出する対応が行われます。

  • たるみ・二重アゴ

    骨を削ったことにより骨格のボリュームが減り、その分皮膚や皮下脂肪が余ってしまうため、顔のたるみや二重アゴが引き起こされることがあります。当院ではたるみが目立たない範囲で施術を行うほか、術後にたるみ改善のリフトアップ施術のご提案も可能です。

  • アゴの違和感・変形

    顎のオトガイ筋の広がりが変わるので、顎の肉が締め付けられるような違和感が生じることがあります。短くなった顎の骨に対して顎の肉の付着がずれるので、笑ったときに顎の肉が下に伸びて長く見えることがあります。

  • 左右差

    元々の顎の骨に左右差がある場合や、手術時のわずかなズレによって仕上がりに左右差が生じることがあります。また、骨だけではなく肉の厚みや形にも元々の左右差はありえます。そのため骨が左右対称に処置できても仕上がりに左右差が生じることがあります。

  • 満足度の個人差

    骨を削れる大きさには限界があり、骨を十分に短縮した場合でも肉や皮の厚みによって骨を短くした分だけの変化を感じられず、期待よりアゴが小さくなっていないといった完璧な理想の仕上がりとは異なる場合があります。

  • 口唇の傷

    手術中に口を大きく開ける器具を使用するため、口唇に火傷や擦り傷、色素沈着が起こることがありますが、時間の経過とともに治まります。必要に応じて治りを早くしたり色素を薄くする外用薬を処方する場合もあります。

まずはご来院頂き、
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