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ボトックス注射で笑顔がひきつる・口角が上がらなくなる?失敗を防ぐコツを解説

公開日:2025/09/30   更新日:2025/11/07

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ボトックス注射は、皮膚にメスを入れることなく、表情じわやエラ張りを改善できる美容施術です。施術中の痛みは軽く、「ダウンタイムが短い」「副作用が起こりにくい」といった特長もあるので、気軽に「まずは受けてみたい」と考えている方も多いでしょう。

リスクが少なく魅力的な施術ですが、ボトックス注射はあくまでも医療行為であり、クリニックなどの医療機関でしか取り扱えません。なぜなら、施術箇所や製剤の注入量を誤ってしまった場合、さまざまな副作用が現れる可能性があるからです。日常生活には支障がないものの、想定していた結果とは少し違った効果が表れることもあり得ます。その中の一つが、笑顔のひきつりです。

本記事ではボトックス注射で笑顔がひきつってしまうケースについて、実際にどのような症状が現れるのか詳しく解説します。後半では、ボトックス注射で失敗しないためのコツについても触れているので、ぜひ施術を受けるか検討する際の参考にしてみてください。

ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)は表情じわの改善が期待できる美容施術

ボトックス注射は、神経の末端から出る信号を抑制する「ボツリヌストキシン」という製剤を体内に入れる美容施術です。ボツリヌストキシンの作用によって、注射した箇所の筋肉が動きにくくことで、表情筋を動かす際にできる表情じわなどを改善する効果が期待できます。注射のみで目に見える変化が期待できるため、美容医療が初めてという方でも、比較的挑戦しやすい施術と言えるでしょう。

ボトックス注射で笑顔がひきつる原因

ボトックス注射を打つと必ず笑顔がひきつる」という訳ではありません。適切な量のボツリヌストキシン製剤を、適切な場所に打っていれば、想定外のトラブルが起こることは基本的にないと言えるでしょう。ボトックス注射で引きつったような笑顔になってしまうのは、意図しないボツリヌストキシン製剤の作用が起こってしまうからです。

もし施術箇所が不適切だったり、正しいボトックス注射の打ち方ができていなかったりすると、目的の筋肉以外に効果が表れてしまうかもしれません。表情を変えるために力を入れても、動くべき表情筋が動かず、ひきつったような顔に見えてしまうでしょう。特に笑った際は、動く部分と動かない部分の差が目立ちやすい傾向にあり、これこそが笑顔がひきつっているように見える理由です。

また適量より多いボツリヌストキシン製剤を注入してしまったり、適切な間隔を空けずに施術を受けてしまったりすると、効き目が必要以上に強くなってしまう可能性もあります。通常通りに動かせる他の筋肉の中で、あからさまにその筋肉の動きだけが鈍くなくなることで、施術箇所が固定されたような見え方になります。この状態で表情を変えようとすると、通常通り動く筋肉の方に向かって皮膚が引っ張られ、肌が不自然にひきつれたりこわばったりしているように見えるでしょう。症状が強い場合は、笑っていること自体が伝わらない、表情筋が動かない状態「表情喪失」になる可能性もあります。

【パーツ別】ボトックス注射で笑顔がひきつる例

ここで、笑顔のひきつりなどの不自然な表情につながりやすいボトックス注射の施術箇所として、代表的な5つのパーツをご紹介します。

眉間
目尻

口角
エラ

それぞれの箇所のボトックス注射の効果が表れる仕組みと、笑顔のひきつりにつながってしまう理由を、詳しく解説します。

1.眉間

眉間の表情じわは、左右の眉頭に沿った部分にある皺眉筋(すうびきん)が中央に寄ることで現れます。怒ったりしかめっ面をしたりした際にできやすく、人によっては眉間に力を入れた状態が癖となり、常時複数の線が現れているような状態の方もいるでしょう。

ボトックス注射を正しい箇所に適量打てば、筋肉が原因で生じる眉間のしわの改善が期待できるます。表情じわが入ったままの状態が続くと現れる、皮膚組織に刻み込まれたような深いしわの予防にもつながるはずです。

皺眉筋は、眉を上に引き上げる役割を持つ前頭筋(ぜんとうきん)と近接した位置にある筋肉です。そのためまれなケースですが、眉間に入れたボツリヌストキシン製剤が上の方に流れてしまうと、上部にある前頭筋に成分が効き、まぶたが重く感じることがあります。また反対に下方向へ拡散すると、今度は眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という目を開くための筋肉に効いてしまい、まぶたを持ち上げづらくなる可能性があります。

目が開きづらい状態で無理に笑おうとすると、口角だけがいつも通り引きあがり、不自然な印象になってしまうでしょう。

2.目尻

ボトックス注射目尻に打つと、目を閉じる役割を持つ眼輪筋の力が抑えられ、目尻の笑いじわの改善が期待できるます。

しかし眼輪筋への効き目が強すぎた場合も、眉間への施術と同様に、目の開閉に影響が生じます。目が笑っていないように見える他、場合によってはドライアイなどの症状につながることも。またボツリヌストキシン製剤の作用が筋肉にまで及んだ場合は、笑った際に筋肉が上がりづらくなり、笑顔が不自然に見えるでしょう。

3.額

の表情じわは、眉間への施術の解説でも登場した、眉を上に引き上げる役割を持つ前頭筋の動きによって現れます。ボトックス注射筋肉の動きを抑制することで、皮膚にしわが寄らないようにする効果が期待できます。広い範囲に生じるしわなので、うまくいけば一気に若返ったような変化を実感できるでしょう。

ボトックス注射でアプローチできるのしわは、一般的におでこの上の方、髪の生え際から2/3程度までの範囲です。眉に近い位置へ、のしわを改善できる量のボツリヌストキシン製剤を注入すると、眉間目尻に注入しすぎた際と同じような副作用が生じ、笑顔をひきつらせてしまう可能性があります。

また眉間へ同時にボトックス注射を打った際に起こる失敗として、眉毛を動かす複数の筋肉のバランスが崩れて、眉山から眉尻だけが不自然に吊り上がる「眉毛外側過度挙上(スポックブロー)」の状態になることがあります。こうなってしまうと笑顔がひきつるどころか、終始怒っているような印象にもなりかねません。

4.口周辺

口角の引き上げや、上唇のしわ、の梅干しじわといった口元のしわを改善する目的で、口の左右や周囲にボトックス注射を打つこともあります。

口角が下がってしまう原因と言われている「口角下制筋(こうかくかせいきん)」の動きを抑制すると、口の端を下に引っ張る力が弱まり、口角が自然とキュっと上がった状態になるでしょう。また口の周りの「口輪筋(こうりんきん)」に打つと、過剰な収縮が抑えられ、上唇のしわや梅干しじわの改善が期待できるます。

これらの目的で打ったボトックス注射が効きすぎてしまうと、笑った際の唇の動きに違和感が出たり、口が閉じづらくなったりしてしまいます。左右の口角の上がり方にばらつきがある場合も、笑った際に顔の片側だけが固定されたような状態となり、ひきつった不自然な表情に見えてしまうでしょう。

5.エラ

を動かす「咬筋(こうきん)」を収縮させる目的で打った、エラ部分へのボトックス注射が、その他の筋肉に作用してしまう可能性もあります。

エラ張り改善のためのボトックス注射では、咬筋の動きを抑制することで筋肉を痩せさせ、ボリュームを落とすことを目指します。そのため一般的に、表情じわの改善よりも多くのボツリヌストキシン製剤を注入する必要があり、その分作用も強いです。これが口輪筋を動かす筋肉にまで作用してしまうと、笑ったときにその部分の筋肉だけ顕著に動かなくなり、パーツや皮膚の形が不自然にゆがんでしまういます。エラボトックスでも、ひきつったような笑顔になってしまう可能性があるのです。

ボトックス注射のその他の失敗例

ボトックス注射を打って、笑顔のひきつりをはじめとした表情の不自然さ以外の、意図しない変化に悩まされるケースもあります。施術の結果に満足できず「失敗した」と感じてしまうでしょう。

例えば口角エラボトックス注射を打ちすぎた場合、しゃべりづらくなったり、ものをかむ力が弱くなったりする可能性があります。特に硬い食べ物をかむ際などに違和感を覚えることが多いです。

また皮膚の弾力が少ない方がエラなどにボトックス注射を打った場合、筋肉のボリュームが減ったことで皮膚が余り、たるんでしまうこともあります。

なおボトックス注射の持続期間は、一般的に3〜6カ月程度です。そのためボトックス注射を打つことで笑顔がひきつったり、その他のデメリットが生じたりしても、ほとんどの場合は時間が経てば自然に症状が改善して、元の状態へ戻っていきます。とはいえ不自然な状態のまま過ごす期間が発生することには変わりないため、できる限り失敗は避けたいものです。

ボトックス注射で失敗しないためのコツ

ボトックス注射での失敗を避けるためのコツとして、以下の2点を押さえておきましょう。

・信頼できるクリニックを選ぶ
・術後は適切な過ごし方をする

それぞれ詳しく解説します。

ボトックス注射

1.信頼できるクリニックを選ぶ

施術を検討中の方の中には、メスを使う外科手術よりも手軽に受けられることから、「ボトックス注射は簡単なもの」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし笑顔のひきつりの原因となる意図しないボツリヌストキシン製剤の作用は、注入量の過多や注入箇所のずれなど、人為的なミスによって生じることがほとんどです。つまり失敗を避けるためには、適切な施術内容を提案し、その通りに実施してくれるクリニックを選ぶ必要があります。

信頼できるクリニックを選ぶための重要なポイントとして、医師の実績とカウンセリングの内容が挙げられます。また使用するボツリヌストキシン製剤の種類もチェックしておくのがおすすめです。それぞれについて順に説明します。

ボトックス注射の施術実績の豊富な医師がいるか

ボトックス注射筋肉の動きを抑制する施術のため、術後は施術箇所と他の筋肉のバランスが変わります。施術者はこれを考慮した上で、施術箇所の状態や施術を受ける方の理想に合わせ、注入量などを決定しなければなりません。また仕上がりのデザインにこだわるには、筋肉の構造の他、神経のつながりや脂肪の付き方についても熟知している必要があります。

このことからボトックス注射の失敗を防ぎ、自然な仕上がりを目指すには、豊富な知識と実績を持つ医師に施術を依頼するべきと言えます。もちろん効果の表れ方に個人差はありますが、正しい方法で施術を行えば、少なくとも本来起こらないはずの副作用が起きてしまうようなことは回避できるはずです。

多くのクリニックでは、医師の実績や経歴をホームページなどで公開しています。症例や医師の方針などについて、SNSなどを利用して情報発信しているところも多いので、施術を検討する際はぜひ確認しておきましょう。日本美容外科学会や日本形成外科学会などの、権威ある団体に所属している医師も、信頼性が高いと考えられます。

カウンセリングに力を入れているか

適切な施術を受けるには、カウンセリングの内容も重要です。施術を受ける方がどのような効果を期待しているのか、じっくりと話を聞いてくれるクリニックを選びましょう。

ボトックス注射において、各クリニックの定める目的別の注入量や注入箇所は、あくまでも目安の数字です。実際の施術内容を決める際には、目指す仕上がりや施術箇所の状態に応じて、適切となるよう臨機応変に調整する必要があります。医師が思う一般的な改善の程度と、施術を受ける方が希望する変化の程度にギャップが生じているケースもあるでしょう。このギャップが埋められないまま施術内容が決められてしまった場合、「せっかく受けたのに効果がなかった」「効きすぎて不自然になった」といった状態にもなりかねません。

併用が禁忌とされている薬品もあるため、普段飲んでいる薬や抱えている疾患、体質の傾向を医師が把握しておくことも大切です。確認を怠ると、起こらなくても良い副作用が発症してしまう可能性があります。

施術を決断する際は、カウンセリングで得た情報を元に個別の施術計画を立ててくれるような、信頼のおけるクリニックを選ぶようにしてください。可能な限り失敗を避け、理想により近い仕上がりを実現できるでしょう。

信頼できる製剤を使用しているか

施術を受けるクリニックを検討する際、アクセスの良さや料金の安さを重視する方は多いと思いますが、使用する製剤にも注目してみてください。

ボトックス注射で使用するボツリヌストキシン製剤は、世界中のメーカーからさまざまなものが製造販売されています。製品によって配合内容や管理の方法が違うため、検討しているクリニックで取り扱っている製剤が「どのような企業が作っている、どのようなグレードのもの」なのか、事前のカウンセリングの段階で確認しておきましょう。

中でもおすすめなのは、アメリカのアラガン社が製造販売する「BOTOX VISTA(ボトックス・ビスタ)®」です。厚生労働省が唯一承認している製剤で、日本だけではなくアメリカやヨーロッパ諸国などの世界各国でも承認されており、徹底した品質管理が行われています。他社の一般的なボツリヌストキシン製剤と比べると安全性が高いと言える他、効果が長持ちしやすいという特長もあります。

2.術後の過ごし方に配慮する

ボトックス注射の術後の制限事項は特にありません。しかしトラブルが起こる可能性を極力下げ、得られる効果に悪影響を与えないためには、施術を受けた後の過ごし方にも気を付けましょう。

まず体温が上がるような行動はなるべく避けてください。ボツリヌストキシンは熱に弱いという特徴があり、施術の効果が弱まってしまう可能性があります。そのため温泉やサウナ、岩盤浴などは控えておいた方が無難です。同様に激しい運動も、体を温めてしまうため、控えることをおすすめします。

またアルコールは禁止ではありませんが、過度な飲酒は内出血を起こす可能性があります。健康のためにも適量を守りましょう。

その他マッサージやエステなどにも注意が必要です。施術箇所を圧迫すると、こちらも内出血のリスクがあります。また注入した製剤が周辺の組織に広がり、目的の筋肉以外の動きを抑制してしまう可能性もあります。セルフケアもしばらくは控えておいた方が良いでしょう。

まとめ

ボトックス注射は、筋肉の動きを抑制することで、表情じわの改善や小顔効果が期待できる施術です。一方で意図しない箇所に効いたり、過度に効果が表れたりした場合は、笑顔のひきつりをはじめとしたさまざまなトラブルが生じる可能性があります。基本的にボトックス注射副作用などが起きづらい施術ではありますが、少しでもリスクを下げるためには、信頼できるクリニックへ依頼し、術後の過ごし方にも配慮するのがおすすめです。

表参道スキンクリニックでは、医師もしくは専門医の教育をしっかり受けたスタッフが、お一人お一人の理想や肌の状態に合わせた施術内容をご提案します。製剤にもこだわり、本記事でご紹介したボトックス・ビスタ®を採用しています。どこのクリニックで施術を受けるか悩んでいる方はもちろん、「ボトックス注射についてもっと知りたい」「自分に合った施術なのか教えてほしい」といった方は、ぜひ当院のカウンセリングを受けてみてください。

▼表参道スキンクリニック ボトックス注射 詳細ページはこちら

本ページの監修医師

江原 真貴子医師

経歴

所属学会

日本美容外科学会(JSAPS)

日本形成外科学会

日本美容皮膚科学会

称号・資格

日本形成外科学会認定専門医

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