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口ゴボを改善したい!セットバック法やSSRO法ってどんな治療?

口ゴボ(ゴボ口)とは、横顔を見たときに口もとがもっこりと膨らんでいる状態を指す俗称です。鼻先からアゴまでを一直線に結んだ「Eライン」を確認してみて、唇がラインから大きく前に出ているようであれば口ゴボの傾向があると考えられます。今回は、口ゴボを改善する美容医療による外科手術について解説します。
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口ゴボの原因
口ゴボになってしまう原因は、歯並びによるものとアゴの骨格によるもの、口元の筋肉に由来するものがあります。
歯並びに由来する口ゴボの場合、歯が前に向かって生えている、いわゆる「出っ歯」の状態になっていると口もとが前に突き出る傾向にあります。生まれつきアゴに対して大きな歯を持つ方や、アゴが小さい方などは特に口もとが突出しやすく、このような方はまず歯列矯正による歯並びの改善が口ゴボ解消に効果的です。
アゴの骨格に由来する口ゴボの場合、上アゴが極端に前に突き出ている方や、下アゴが上アゴよりも前に出ている、いわゆる「受け口」の状態になっている方は、口もとが膨らんだ口ゴボの状態になります。歯列矯正では難しい口ゴボの改善は、美容クリニックによる外科手術が効果的です。
歯並びや骨格に問題がなくても、口もとや頬周りの筋肉が衰えたことにより、結果として口ゴボの状態に見えてしまっているケースもあります。年齢を重ねるごとに口ゴボのような口もとの突出が気になりはじめたという方は、口腔筋のトレーニングや口呼吸の改善などで改善がみられることがあります。
美容クリニックで受けられる口ゴボ改善治療
受け口や上顎の突出による口ゴボを改善したい方や、歯並びを改善しても口ゴボの改善が見られないという方には、美容医療による外科治療が適しています。美容クリニックで受けられる口ゴボ改善治療には次のようなものがあります。
セットバック法
セットバック法とは、上下顎前方分節骨切り術(じょうげがくぜんぽうぶんせつこつきりじゅつ)と呼ばれる外科手術です。セットバック法では、第1小臼歯(犬歯の奥の歯)を抜歯してスペースを確保し、顎前歯部の歯槽骨へ水平に骨切りを行い、突出したアゴを後ろにずらします。上下のアゴに同時に行う場合もあれば、受け口の改善のために下アゴにのみ行う場合もあります。
手術は全身麻酔で行いますので手術中の痛みはありませんが、術後2~3日は腫れやむくみが大きくあらわれ、1~2週間かけて7割ほど落ち着き、完全におさまるまでは3ヵ月~半年ほどかかるのが一般的です。ダウンタイムは長めですが、骨格そのものにアプローチできるのでしっかりと効果を実感いただける手術です。
SSRO法
SSRO法は下顎枝矢状分割術(かがくししじょうぶんかつじゅつ)と呼ばれる外科手術です。SSRO法では、奥歯の奥のほうの骨を矢状に分断し、骨を適切な位置に移動し固定します。セットバック法よりも動かせる範囲が大きいため、重度の受け口の方などに適した治療方法です。手術は口腔内からおこなうため顔に傷は残りませんが、骨がしっかりと癒着し安定するまでは3ヵ月~半年ほどかかります。大がかりな手術にはなりますが、口もとのお悩みを抱える方のコンプレックス解消に大きな効果が期待できる手術です。
口ゴボのお悩みは美容クリニックへ
骨格に由来する口ゴボの場合、簡単に改善することはむずかしく大がかりな手術が必要になるケースが少なくありません。口ゴボのお悩みを抱える方はまず一度カウンセリングでご相談ください。
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本ページの監修医師
田中 克弥医師
経歴
- 所属学会
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日本美容外科学会(JSAPS)
日本形成外科学会
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本創傷外科学会
日本創傷治癒学会
日本熱傷学会
日本手の外科学会
- 称号・資格
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医学博士
日本形成外科学会認定専門医
ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医