2019.3.3 日韓合同ライブサージャリーレポート
2019.03.08
2019年3月3日表参道スキンクリニック表参道院で日韓合同ライブサージャリーが開催されました。昨年11月に開催された前回同様、提携病院である韓国ザ・プラス美容外科からジョン・ジェヨン先生を招き、専門分野である鼻整形について当グループの医師らと技術交流を交わしました。当グループから参加したのは、表参道院から佐藤医師、兵藤医師、名古屋院から井上医師、大阪院から細井医師、福岡院から小原医師の計5名です。
当日は朝8時半からオペのカンファレンスが開始されました。カンファレンスとは、医療現場において患者様の症状や治療方針について話し合う重要な場であり、カンファレンスで綿密な打ち合わせを行うことで手術はよりよい結果に近づきます。患者様によって症状や希望が千差万別であることは全ての分野に共通することですが、複雑な構造である鼻は手術前の確認が特に重要です。今回のカンファレンスは、これまで豊富な症例を築き上げてきたジョン先生に参加していただくことで、より細かい部分まで確認を行える大変有意義な時間でした。
また今回は、鼻の再手術を予定していた患者様にカンファレンスから立ち会っていただきました。CTやこれまでの手術歴などの資料、実際の症状、患者様の希望を照らし合わせ、ジョン先生と執刀医が手術の方針を決定していきます。通常、初めての手術に比べて再手術の方が難度が高い傾向にあるので、今回の患者様の場合もオペ前に綿密な計画が必要とされていました。自身の症状や手術内容について盛んに意見が交わされ、計画が決定していくのを間近で感じられた患者様は、それが安心感に繋がった様子でした。
続いて、今後ザ・プラス美容外科で実施予定のオペについてのカンファレンスも行われました。この日のカンファレンスでは、合計3名の患者様について話し合いが行われました。いずれの患者様も症状や治療方法にそれぞれ違いはありますが、ジョン先生や当グループの医師が大切にしているのは、まず患者様の希望を第一に考えることです。カンファレンスはそのことが最も強く感じられた内容でした。
午後は、表参道院5Fの外科専門フロアで2件続けて鼻の手術を行いました。
1件目は、鼻翼縮小や鼻骨骨切り、鼻尖形成などを含む鼻の複合手術です。複雑な部位である鼻のオペは、このようにいくつもの手術方法が同時に行われる場合が多くあります。1件目の患者様は、手術前のインタビューで「緊張しているけれど、期待の方が大きい」と笑顔で仰りました。
2件目は、カンファレンスにも参加された患者様の手術が行われました。この方の場合は、以前行った手術の修正も含む鼻の複合手術です。この患者様に限らず、鼻の再手術を行うケースは多くなっています。その理由として、時間の経過とともにどうしても見た目に変化がでてくることが避けられず修正が必要になる場合や、美容整形の技術は年々進歩しているため、患者様がより自身の理想に近づくため修正を希望することなどが挙げられます。今回の患者様の場合は、以前行った手術の影響から鼻の中の軟骨が通常よりも細くなっていました。
当院では、鼻の再手術の場合は必ずCT撮影をして鼻の内部を想定し、徹底的な準備を欠かしません。ですが、そうした上でも、今回のケースのように鼻の内部はメスを入れてみるまで実際分からないことが多くあります。そのため、執刀医にはその場での臨機応変な対応が求められます。ジョン先生は、例え想定外のことが起きた場合でも落ち着きを払い、冷静な判断でアドバイスを教示してくれていました。“数多くの症例を扱い経験を積むことで、より最適解を導き出すことができる”、ジョン先生の姿勢からこのことを強く感じます。
鼻の美容整形を受ける患者様の多くは、高さのあるスッと細い鼻筋と、整った鼻先が合わさった主張の強すぎない形を希望します。ですが、これまで主流で行われてきた鼻整形では高さを出すために大きなプロテーゼを入れたり、鼻尖形成術で鼻先を尖らせるだけで済まされるケースが多く、不自然な仕上がりになることが度々見受けられました。そこでジョン先生は、鼻先の軟骨を剥離させて立体的に高さを出す『鼻翼軟骨移動術』を編み出しました。さらに、立体的になった軟骨の上に、耳などから採取して細かくカットした軟骨を積み上げる鼻尖形成術を行うことで、アジア人の顔に馴染む上品で美しい鼻ができあがります。また、この技術は自身の軟骨の移動や組み合わせで高さを出すため、身体に異物を入れずに済むこともメリットに挙げられます。この方法が誕生したことによってこれまでの鼻整形のスタンダードが変わり、多くの患者様の希望を叶えやすくなりました。その反面、難度の高い技術が必要とされるこの方法は日本ではまだ一般的ではなく、韓国に赴いてジョン先生から直接技術を指南してもらうことが必要でした。そこで、当院の井上医師はジョン先生との交流を通していち早くこの技術を習得し、その結果現在多くの患者様にこの方法で手術を行うことが可能になりました。
今回のオペでも、この『鼻翼軟骨移動術』を取り入れた鼻尖形成術を行い、患者様の希望の鼻に近づけていきました。他にも、元々入っていたプロテーゼの修正や鼻骨骨切りなどを加え、細かい部分までこだわりを貫きます。また今回は、砕いた肋軟骨を鼻の穴の中から特殊な器具で鼻翼基部に挿入する手術も行われました。これを行うことにより、小鼻の横の部分が膨らんでほうれい線が目立たなくなる効果があります。ほうれい線の改善方法として一般的なのはヒアルロン酸などが思い浮かぶと思いますが、実はこういったより外科的なアプローチでも治療が可能です。
今回の日韓合同ライブサージャリーでジョン先生には、当日オペのカンファレンス、渡韓医療通訳のカンファレンスに加え、術前最終カウンセリング、オペにも多くの時間立ち会っていただきました。このような貴重な機会をいただきましたことに、改めて深く感謝いたします。提携病院であるザ・プラス美容外科とのこうした盛んな交流の背景には、患者様にとって最も望ましい医療環境を整えたいという当院の理念があります。患者様が不安に感じる言葉の壁を当院がサポートすることや、日韓のお互いの技術を共有することでより良い美容整形を追求するとともに、高水準の美容医療が提供できるよう、これからも医師を始めとする全スタッフ一同で尽力してまいります。
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