ルフォーⅠ型骨切り術とは?
ルフォーⅠ型骨切り術は、上顎骨を骨切り後あらゆる方向に移動し、理想的な位置に固定することで骨格の不調和を改善する手術です。この手術は、移動の自由度が高く固定性にも優れた方法ですが、移動量は生物学的、解剖学的、または個人差によって限界が生じます。そのため、患者様のご希望と生理学的機能の両方を考慮した上で移動量を決定いたします。ルフォーI型骨切り術は、顔の土台部分となる顎顔面骨を扱う手術のため、高度な知識と技術が必要な施術であり、豊富な症例経験数が求められます。当院では、これまで多くの経験を積んだ形成外科医が全ての施術を責任を持って担当いたします。
step1
治療計画を立てる
仕上がりの希望と可能な骨の移動量を照らし合わせた上で計画を決定し、それに合わせてデザインをします。
step2
切開
上顎の上唇と歯肉の境目付近を切開します。
step3
上顎骨の切断
骨切りする範囲の上顎骨を露出させ、目の下から水平に切断します。
step4
上顎骨の移動
切断された上顎骨を術前に設定した位置に移動します。
step5
プレートで固定
動かないようにプレートでしっかり固定します。
顔面の骨を大きく削る手術のため手術後の腫れや痛みが強く出ます。強い腫れは1~2ヶ月程度続き、完全に腫れが引くのは6ヶ月程かかります。また、輪郭の骨を削った後は非常に強い痛みを伴い、手術後3ヶ月程度は食事や会話の際も強い痛みが生じます。
輪郭形成手術の際にアゴや下口唇の知覚神経の近くを触る必要があり、それによって痺れや知覚麻痺を引き起こします。手術後はほとんどの方に痺れや麻痺が生じ、ほとんど1年以内に治まりますが、程度の差はあれ永久に痺れや麻痺が残る場合もあります。
手術後に気道周囲の腫れが強く出るため、気道が閉塞して呼吸ができなくなってしまうことがあります。その場合は手術当日に起こることがほとんどなので、その後ただちに医師の常駐する施設に入院する必要があります。
あらゆる手術において感染のリスクはあり、厳重に管理を行ったとしても手術中に感染を起こす可能性は0ではありません。術後に腫れや痛み、熱感が増したりしばらく長引く場合は感染が疑われ、その場合は治療が必要です。
手術後に傷の中で出血して血が溜まると口元、フェイスライン、アゴ、アゴのラインが紫色に膨れ上がります。そのまま放置すると化膿したりしこりができたりするので、早目の処置が必要です。口腔内を切開し、溜まった血を排出する対応が行われます。
骨を削ったことにより骨格のボリュームが減り、その分皮膚や皮下脂肪が余ってしまうため、顔のたるみや二重アゴが引き起こされることがあります。当院ではたるみが目立たない範囲で施術を行うほか、術後にたるみ改善のリフトアップ施術のご提案も可能です。
アゴ下の皮膚を切除することも可能ですが、傷跡が残ることもあります。
顎のオトガイ筋の広がりが変わるので、顎の肉が締め付けられるような違和感が生じることがあります。短くなった顎の骨に対して顎の肉の付着がずれるので、笑ったときに顎の肉が下に伸びて長く見えることがあります。
手術中に鼻の土台となっている上顎骨を移動させることで、鼻の変形を生じる場合があります。鼻翼が広がる、鼻尖が低くなる、鼻尖が丸くなる、正面から見て鼻の穴が目立つ、鼻が曲がるなどの症状がでる可能性があります。
元々の顎の骨に左右差がある場合や、手術時のわずかなズレによって仕上がりに左右差が生じることがあります。また、骨だけではなく肉の厚みや形にも元々の左右差はありえます。そのため骨が左右対称に処置できても仕上がりに左右差が生じることがあります。
骨を削れる大きさには限界があり、骨を十分に短縮した場合でも肉や皮の厚みによって骨を短くした分だけの変化を感じられず、期待よりアゴが小さくなっていないといった完璧な理想の仕上がりとは異なる場合があります。
手術中に口を大きく開ける器具を使用するため、口唇に火傷や擦り傷、色素沈着が起こることがありますが、時間の経過とともに治まります。必要に応じて治りを早くしたり色素を薄くする外用薬を処方する場合もあります。